三角の布
ユーレイが額につけている三角の布。
まず、この見出しには問題があります。
ユーレイの存在が証明されているわけじゃないんですから、「ユーレイが額につけている」という説明はおかしい。
でも、こういったほうがわかりはいいですけどね。
しかも、身の回りにあるものを扱うという、この本のテーマから逸脱しています。
ユーレイは身の回りにあるものじゃないですから(「身の回りにいるよ」という人もいるかもしれないが)。
でも、日本のユーレイというと、白い着物に額に三角の布をつけて、両手を体の前でダラリと垂らし、「うらめしやー」と相場が決まっています。
実は、あの白い着物、そして三角の布は、死者を葬るときの死装束なのだ。
宗派によって多少の違いはあるかもしれないが、昔から日本では死者には経帷子を着せ、手と足には、手甲、脚絆をつけ、手には数珠を握らせ、首からは頭陀袋をかけるという風習があった。
いわゆるユーレイが着ているのが経帷子だ。
麻や木綿でつくられた白衣で、これに経文などを書く場合もあります。
死者はこれを身につけると、罪業が消滅して地獄の苦しみから免れると信じられた。
頭陀袋には、三途の川の渡し賃として六文銭を入れた。
そして額には、さらしを三角状にした布帽(角帽子)を鉢巻きのようにしてつけた。
つまり、ユーレイの額の三角の布の正体は、布帽(角帽子)だったのだ!ちなみに、ユーレイが両手をダラリと垂らしてるのにはわけがあります。
昔は座棺がおもで、棺に入れる際、死者の両手を手首のところで縛った(いまも縛る)。
そして土葬にして、しばらくしてから再び掘り返して、骨をまた別のところに埋葬するのだが、このとき、縛っていたひもが腐って、死者の手(骨)はたいていダラリと垂れ下がっていたらしい。
それがいつしかユーレイのあの形になったのです。